トイレのリフォームは普段の生活では全く馴染みがなく、分からないことだらけで不安になるのではないでしょうか。
何も分からないからリフォーム業者に丸投げしたけど、全然納得のいかないリフォームになってしまった・・・。
そこで、ここではトイレリフォームの際に知っておくべき基礎知識についてまとめていますので御覧下さい。
トイレの設置について
トイレの設置に関する基礎知識
- トイレの広さについて
- 排水について
- 便器の種類について
- 温水洗浄便座の機能について
まずはこの4つの事について見てみましょう!
トイレの広さ
一般的なトイレの広さは以下の3種類あります。これらはお家の種類によって決まります。
0.4坪(125cm×80cm) | 0.5坪(165cm×80cm) | 0.75坪(125cm×165cm) | |
家の種類 | 分譲マンション | 一般的な一戸建て | 広めの一戸建て |
理想的な便器のサイズ | 75cm×48cm以下 | 80cm×48cm以下 | 80cm×48cm以下 (キャビネットを設置した場合) |
トイレの広さと便器の大きさのバランスを考えるとき、重要なポイントに必要最低寸法というものがあります。便器の先からトイレのドアまで40cm、左右の壁からそれぞれ15cmの余裕があれば良いとされています。
しかし、必要最低寸法ぴったりだと圧迫感を感じて快適にトイレを利用できないかもしれません。そこで、理想的な便器のサイズは必要最低寸法よりも少し大きめにして、それぞれ10cm余分にとった方が良いでしょう。
排水
排水方式には床排水方式と壁排水方式の2種類あります。排水方式に応じて便器を選ぶ必要があるため、実はとても大事なポイントの一つになります。
床排水
床排水は排水管が床にあるタイプの方式です。床にあるため排水管が見えないようになっています。一戸建てや新築のマンションに多い排水方式です。
壁排水
壁排水は排水管を壁に接続する方式です。そのため、排水管を目で確認することができます。基本的にマンションに多い排水方式です。
便器を交換するときは、
- 床排水のときは便器の真後ろの壁から排水管の中心までの距離
- 壁排水のときは床から排水管の中心までの距離
を確認してから、新しい便器を選ぶようにしましょう。
便器の種類
便器には便器に腰掛けるタイプの洋式便器と、またがる格好になる和式便器とがあります。
和式便器は高齢者や妊娠している女性、幼児などは負担が大きく使いにくいため、洋式便器に交換する場合が多いようです。
洋式便器にはタンクがついたタンク式とタンクのないタンクレスの2種類があります。タンク式便器とタンクレス便器についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、ぜひご覧になってください。
温水洗浄便座の機能
温水洗浄便座、いわゆるウォシュレットには単なるおしり洗浄機能だけではなく、快適で清潔に暮らせるように以下のような機能が付いたものが増えています。
- ムーブ洗浄
- やわらか洗浄
- ビデ洗浄
- マッサージ洗浄
- 暖房便座機能
- 洗浄位置調節機能
- 温風乾燥機能など
これらの機能を操作するときに、壁に貼り付けたリモコンを使うタイプと、操作機能がついた便座を使うタイプとに分かれます。操作のしやすい方を選ぶようにしてください。
また、温める系統の機能には使うときだけ温める機能や、温めた水をタンクに貯める機能など電気代の節約に使える機能がついてくることもあります。
洗浄方式の種類
便器メーカーによって呼び方が異なる場合がありますが、洗浄方式の代表的なものについてご紹介していきたいと思います。
サイホン式
スタンダードな洗浄方式です。水を吸い出す力が発生するサイホン作用を利用して汚物を吸い出し排出していきます。
水が溜まる面が広めになっていて、ニオイの発散や汚れの付着が少ないのが特徴です。
サイホンゼット式
ゼット穴という穴から噴出する水で強いサイホン作用を起こし、汚物を吸い出し排出していきます。
水が溜まる面がサイホン式よりも広く汚物が沈み込む作りになっているため、ニオイの発散や汚れの付着がほとんどないのが特徴です。
ただし、ゼット穴から黒ずみが出たり詰まることがあるので定期的にゼット穴を掃除する必要があります。
洗い落とし式
水の落差による流水作用を利用して汚物を押し流す洗浄方式です。最も構造がシンプルにできていて、低下価格帯の便器で使われる洗浄方式です。
水が溜まる面が狭いため便器に汚物が付着しやすく、洗浄のときに水跳ねしやすいというデメリットがあります。
トルネード式
便器の輪になった部分の下側にある吐水口と便器の底から勢いよく水を吹き出すことでうずを発生させて汚物を流す方式です。
汚物を流すと同時に便器を洗浄できるので、少ない水の量で便器を清潔に保つことができます。水たまり面が広く汚物が沈みやすいので、ニオイを抑えやすく洗浄するときの音も静かです。
従来のトイレにあった縁裏がないため掃除もしやすいのが毎日使うときに嬉しいメリットと言えます。
手洗い器の設置
タンクレス便器を選ぶと、必ず手洗器を設置する必要があります。それだけではなく、トイレをオシャレな空間にするためのインテリアとしての役割を果たすこともあります。
ベッセルタイプ
ベッセルタイプはカウンターやキャビネットの上に手洗器を置いたものです。大がかりなものになるので、華やかな印象を与える手洗器ということができます。
高さが比較的自由に決められるので、ご家族の身長やライフスタイルに応じて高さの手洗器を作ることができます。
難点をいえば、デザイン性の高いすり鉢型の手洗器を選ぶと、手から水滴が垂れてしまい汚れやすくなってしまうことです。
ハーフベッセルタイプ
ベッセルタイプのようにカウンターやキャビネットに手洗器を設置するものですが、器を半分埋め込むのが特徴です。
単純に乗せるだけではないのでベッセルタイプよりもさらにキャビネットやカウンターとの統一感を出すことができます。
埋め込みタイプ
埋め込みタイプはカウンターキャビネット特有の手洗器ということができるものです。カウンターの上部に穴をあけて器をはめ込んで使います。カウンターと器のデザインを合わせることによってオシャレな雰囲気のトイレにできるので人気が高いタイプです。
工法の関係上、器の縁でカウンターに段差ができてしまうため、ほこりが溜まりやすく掃除がしにくいというデメリットがあります。
手洗器・水栓の種類
手洗器は器だけでなく、水栓というこだわりのポイントがあります。
ハンドル水栓
ハンドルを回して水を出すのがハンドル水栓です。水量を自分で細かく調整できるので、水を節約しつつ手をきれいに洗いたい場合は向いていると言えます。
しかし、水を出すときと止めるときにいちいちハンドルを回さないといけないため、その分ハンドルが不潔になったり、床に水が垂れやすくなるというデメリットがあります。。
自動水栓
水が出るところに手をかざすと自動的に水が出るのが自動水栓です。ハンドルに触る必要がないため、清潔にトイレを使い続けることができます。
ただ、かざす場所に慣れないと最初のうちは水が出にくいというデメリットもあります。
キャビネットについて
画像引用元:LIXIL_リフォレ
掃除道具やトイレットペーパーを収納するキャビネットをトイレに設置するリフォームを行う人が増えています。
しかし、キャビネットの適切な設置箇所や種類などの基礎知識がないと思わぬトラブルに見舞われるおそれがあります。
キャビネットの設置箇所
キャビネットの設置個所は、便器の真正面の壁にカウンターを据え付ける場合と便器の横に長いカウンターを設置する場合とに分かれます。
トイレの扉と便器の位置関係によってキャビネットの設置個所は変わりますので、キャビネットが欲しいという場合は扉と便器の位置関係を確認しておきましょう。
キャビネットの種類
キャビネットは大まかにいって2種類に分かれます。カウンターだけのシンプルでスリムなつくりのものと、トイレットペーパーや掃除用具を収納できる大型キャビネットが付いたものです。
大型のものは見栄えが良い反面、かなり広いスペースを必要とします。そのため、トイレのスペースがそこまで広くない場合には、大型のものは設置に向かないかもしれません。
手すり・ハンドグリップ
バリアフリーの一つとして手すりやハンドグリップを設置する方が増えているようです。手すりやハンドグリップがあると転倒防止になり、高齢のご家族がいても安心してトイレが利用できます。
手すりの設置
立ち座りは上下の動きになるので、たて手すりやL字型手すりを設置すると便利です。
手すりの位置は便器に近いほうがいいと思われるかもしれませんが、少し距離があったほうが体重移動がしやすく立ち上がりやすくなります。
たて手すりは便器の先端から200~300mm程度前方が使いやすい距離と言われています。横手すりは便器から230~300mm上の位置が使いやすい位置です。
ハンドルグリップの設置
ハンドグリップですと手すりよりも省スペースで設置できます。そのため、将来高齢になった時に備えて、元気なうちに設置している方が多いようです。
ハンドグリップを掴んだときに体重を預ける棚とセットで設置するのが主流の形になっています。
トイレリフォームの流れ
工事前の流れ
トイレをリフォームしたい!と思い業者を選んだはいいものの、どうすればいいの?って方がスムーズに工事まで行くために一般的な工事までの流れをご紹介します。
お問い合わせ
電話やネットを通じて問い合わせることになります。要望や改善したい点を伝えることでアドバイスを受けることができます。
現地調査 / お見積もり
問い合わせの段階で良さそうと思った業者に現地調査の上で見積もりを出してもらいましょう。複数の業者に頼むことで最適な業者を判断できるようになります。
また、見積もり内容に不明点があればすぐに質問するようにしましょう。
ご契約 / 工事日程の調整
リフォーム工事を依頼する業者を決めたら、工事日程の調整に入ります。
工事の流れ〜本体のみ交換〜
一般的な洋式便器を新しい洋式便器に交換する工事です。便器のみの交換の場合は半日、床や壁を変えるときは1日かかります(タイル張りのときは2日かかることもあります)。
既存トイレの解体 / 撤去
元の便器を取り外します。
このとき、床の下地から交換する場合は床全体を解体しなければなりません。配管の工事だけで良い場合は床の一部の解体になります。
このとき配管などに腐食やひどい劣化があった場合は、追加の取替え工事が必要になる場合があります。
水道工事
トイレの配管位置と新便器の配管位置が異なる場合でも、多くの場合、便器にアジャスターが付いているので配管工事は不要とされることが多いようです。しかし、便器の種類によっては配管工事が必要な場合があります。
ウォシュレットなどの機能を新設する場合は、この段階で電源コンセントを設置します。
クッションフロアやクロスの張り替え
便器だけでなく内装工事も希望する場合は、新便器の設置前にクッションフロアや壁のクロスの張替えを行います。
トイレ本体の取付
いよいよ便器、便座の取り付けです。給排水の設定もこのとき行います。
便器との位置関係が重要なペーパーホルダーやタオルホルダー、手すりの設置も行います。
手洗い器やカウンターキャビネットを設置しないシンプルなリフォーム工事の場合、ここでリフォーム工事は終了です。
工事の流れ〜和式→洋式交換〜
和式便器を洋式便器に交換する場合でも、基本的には洋式から洋式への交換と工事の流れは変わりません。ただ、段差の解消のための工事や洋式便器に合わせた内装の変更が必要になります。そのため、工事期間は2、3日くらいかかるのが通常です。
既存トイレの解体 / 撤去 / 段差解消
元の便器を解体して撤去します。一般的な和式トイレは和式便器を乗せる段があるので、段差の解消のための工事も必要です。
段の下のコンクリートや土を撤去した場合、土のう袋で30〜40袋が必要になる場合があるそうです。
水道工事 / 電気工事
和便器用の排水管を洋式便器に合わせるために移設工事を行う必要があります。
また、ウォシュレット機能をつけるために電源コンセントを新たに設置する必要があるのがほとんどです。
内装工事
床下地の大工工事をする必要があります。枠を組み上げて板を張るのが通常です。
段があった部分の壁はコンクリートがむき出しになっているので、その部分に化粧パネルなどを貼ってきれいに仕上げる必要があります。
トイレ本体の取付
洋式便器を取り付けたら工事は終了です。
和式トイレは狭いスペースでも十分ですが、洋式トイレには狭すぎる場合があります。そんな場合のために、元和式用便器というものがあります。
まとめ
いかがでしたか。
ここでは、トイレリフォームのときに知っておきたい基礎知識、マメ知識に付いてまとめてみました。
これらの知識をしっかりつけることで、業者に要望を的確に伝えることができるようになります。それだけではなく、主導権を一方的に握られることなく業者との交渉もすることができるのです。
納得のいくトイレリフォームができるように、しっかりと知識をつけるようにしておきましょう。
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