見積書の見方や書いてある内容が理解できないと…
- 詐欺に合う確率が高い
- 必要ない工事までやって工事費が高くなる
- 適正な価格かの判断ができない
などなど、“知らない”事をいいことに悪いリフォーム業者さんの言うとおりに工事を行うと、揉め事が起きたり納得のいかない仕上がりになって『泣き寝入り』って事にもなりかねません。
見積書の内容が把握できていれば、簡単に悪徳業者に騙されたり、トラブルになったりすることを事前に回避することができます。
そこで、ここではリフォーム見積書のどこに注目してどう判断すれば良いのかのポイントをご紹介したいと思います。
トイレリフォーム工事費用の種類
トイレのリフォーム工事を行うときに必要になる費用には以下のようなものがあります。
まずはトイレリフォームの工事内容を頭に入れておきましょう。
仮設工事費
画像引用元:Reform_Sasaki
仮設工事費は養生工事にかかる費用のことを指すことが多いです。養生工事とは、リフォーム工事をするときに搬入や搬出によって床や壁、製品が傷つかないようにシートなどを使って保護する作業のことをいいます。
撤去・処分費
撤去・処分費は、古い便器を取り外し撤去するための費用のことです。撤去工事は業者によって工程や費用に差がつくことはほとんどありません。
内装工事費
内装工事費とは
- 壁や床の撤去解体
- 壁紙や床材の張り替え
- 手すりやハンドグリップの取り付け
- 下地の補強
などにかかる費用のことを言います。
便器だけのリフォーム工事だけのつもりでも、実際にトイレの現物を見ると床や壁の工事も必要になってくることが多くあります。
製品・取り付け費
製品・取り付け費というのは、新しく設置する便器の購入代金とその便器を取り付けるための作業費用を合わせたものです。
トイレリフォームにかかる費用はこの製品・取り付け費が大部分を占め、だいたい6~8割になるといわれています。
そのため、見積もりを出してもらったときに想定を超えた価格だったり、予算が苦しいという場合には、この製品・取り付け費を節約するようにするとよいでしょう。例えば、交換する便器のグレードを少し落とすと大きな節約をすることができます。
電気工事費
トイレ内にコンセントを設置して、電線も通すための工事をするための費用が電気工事費です。
ウォシュレット機能などが何もない古い便器を最新の多機能な便器に交換する場合、元のままだとコンセントが付いていないことがほとんどなので、新たにコンセントを設置する工事をしなければなりません。
諸経費
リフォーム工事にあたる職人さんの駐車料金や現場管理費といった工事費用や製品代金には含まれないものが、諸経費として計上されます。
諸経費はリフォームにかかる費用全体の3~8%になるのが通常といわれています。もしも、見積もりを依頼した業者が8%を超える諸経費を出してきた場合は、詳しい内訳を質問したほうがよいでしょう。
業者の数
トイレのリフォームのときに必要な業者は
- 水道工事業者
- 大工
- 内装業者
- 電気工事業者
以上の4業者です。それぞれについて経費がかかることになります。
最近では経費を抑えるために一人の職人が全ての業務をできる「多能工」を使うことが多いようです。ただ、多能工も経験やそれぞれのスキルの習熟度によってリフォームの出来が大きく違ってきます。
めんどくさいと思われるかもしれませんが、それぞれの分野のプロの職人さんに来てもらう方が案外失敗は少ないかもしれません。
水道工事業者
画像引用元:ArtInterior
便器の撤去・解体工事を主に行います。また、製品の取り付けのときの配管工事も大工と共同して行うことになります。
大工
リフォームがうまくいくためには全体の工程を見渡せる腕のいい大工の存在が欠かせません。製品の取り付けや大規模な内装工事を水道工事業者や内装業者と行います。
内装業者
画像引用元:SAJYUKAN
内装工事も必要なリフォームになってくると内装業者も必要になってきます。場合によってはほとんどトイレの作り直しになるものまで、水道工事業者や大工と協力して作業に当たることが多いようです。
電気工事業者
リフォームで電気コンセントを新設したり、コンセント位置を変更したりする場合には電気工事業者が工事を担当することになります。
トイレリフォーム見積もり例
トイレのリフォーム工事で依頼の多い工事内容について見積もり例をご紹介したいと思います。あくまでも一例ですので、そのことを頭に入れた上でぜひ参考にしてみてください。
便器のみのトイレリフォーム
古い便器をウォシュレット機能付き便器に交換する工事の場合です。
工事区分 | 内容 | 数量 | 金額 |
仮設、撤去 | 既存便器等 | 一式 | 13,000円 |
設備工事 | 製品・取り付け | 一式 | 200,000円 |
電気工事 | スイッチ配線 | 一式 | 7000円 |
諸経費 | 一式 | 15,000円 | |
消費税(8%) | 一式 | 18,800円 | |
合計 | 253,800円 |
内装を含むトイレリフォーム
内装工事が必要なタンクレストイレに交換する場合です。
工事区分 | 内容 | 数量 | 金額 |
仮設、撤去 | 既存便器等 | 一式 | 13,000円 |
木工事 | 下地工事、ドア枠等 | 一式 | 15,000円 |
内装工事 | 床、壁、天井 | 一式 | 55,000円 |
設備工事 | 製品・取り付け | 一式 | 380,000円 |
電気工事 | 照明、スイッチ配線 | 一式 | 5,000円 |
諸経費 | 一式 | 37,000円 | |
消費税(8%) | 一式 | 40,400円 | |
合計 | 545,400円 |
和式から洋式へのトイレリフォーム
和式トイレから洋式トイレにリフォームする場合の見積もり例です。
工事区分 | 内容 | 数量 | 金額 |
解体、撤去 | 設備、内装等 | 一式 | 25,000円 |
水道工事 | 給排水、配管 | 一式 | 25,000円 |
木工事 | 下地工事、床、壁等 | 一式 | 80,000円 |
内装工事 | 床、壁、天井 | 一式 | 45,000円 |
設備工事 | 製品・取り付け | 一式 | 200,000円 |
手すり、手洗い器 | 取り付け | 一式 | 90,000円 |
諸経費 | 一式 | 35,000円 | |
消費税(8%) | 一式 | 40,000円 | |
合計 | 540,000円 |
見積もりのポイント
見積もりをするときに意識しておくべきポイントは3つあります。その3つのポイントを意識しておけば、リフォームで失敗したということは起こらないでしょう。
ショールームで実物を確認する
トイレは毎日使う場所であるため、ちょっとしたポイントでも違和感があると快適な生活を送ることが難しくなってしまいます。
そして、カタログやパンフレット、ホームページだけを見て、実物を一度も確認せずに決めてしまうと、いざ工事が終わって使い始めたときに「使いづらい」と思ってしまうこともあるのです。
ですので、トイレのリフォームをするときは、ショールームで実物を確認するようにしましょう。
リフォーム業者に内容を具体的に伝える
リフォームの失敗例では希望通りの仕上がりにならなかったというものが多くみられます。
しかし、この失敗は業者にしっかり要望を伝えきれていなかったというコミュニケーション不足が原因なのです。逆に言えば、業者に事前に要望をしっかり伝えていたら希望通りのリフォームをしてもらえるということになります。
そのため、見積もりを依頼するときはリフォーム業者に要望をきちんと伝えるように心がけましょう。
家族全員が納得したうえで施工に入る
トイレは家族全員が毎日使う場所です。そのため、業者に見積もりを依頼する前に、家族全員でリフォームについての要望をまとめるようにしましょう。
見積もりの際の注意点
見積もりを依頼するときに注意しておきたい点をまとめました。こちらを参考にして見積もりを依頼すれば「見積もりはしてもらったけど、よくわからない・・・」ということはないはずです。
複数社に見積もり依頼して検討する
トイレのリフォームには定価がないので業者によって工事料金が変わってきます。そのため、リフォームの適正価格を判断するために複数の業者に見積もりを依頼するようにしましょう。
見積もりを依頼したのが1社だけではその価格が高いのか適正なのか判断材料がありません。でも、少なくとも3社に見積もりを依頼してみると価格を比較することができるようになるので、なんとなく適正価格を見極められるようになります。
リフォーム内容やグレードは統一する
複数の業者に見積もりを依頼するときに気をつけておきたいところは、「リフォーム内容やグレードを統一する」ということです。
リフォームの費用はリフォーム内容や製品のグレードによって変動してしまいます。なのに業者によってリフォーム内容やグレードをバラバラに見積もりを依頼してしまうと、価格差が何によって生じたのかがわからなくなってしまいます。
価格だけで業者を選ばない
見積もりを検討するときに注意しなければいけないのは、価格だけで業者を選ばないようにするということです。
他の業者と比べて極端に価格が安い場合は、
- 何かの工程を省いる事がある。
- 聞いたこともないようなメーカーの安い製品を使っている。
ことがあります。
価格だけを基準に業者を選んでしまうと、工事が終わった後トイレを利用し始めてから後悔することになってしまうことになりかねません。場合によっては、職人の質もあまり良くないということさえあるのです。
出来るだけ見積書の価格だけではなくて、その他の要素、例えば実際に担当者とお話をしたときに過去の施工例を見せてもらったり、話の内容に誠実さを感じるかという点を見てみましょう。
まとめ
いかがでしたか。
リフォーム見積書の見方と判断するときに気をつけたいポイントについてまとめてきました。
リフォーム業者を決めるときには見積もり依頼をすることで、適正価格で工事をしてくれるちゃんとした業者を選ぶことができるようになります。
しかし、見積書の見方や押さえるべきポイントを知らないと、せっかく見積もり依頼をしても活用できません。納得のいくリフォームをすることができないのです。
見積書に書いてある内容がわかるようになれば、複数の業者をしっかり比較しながら選ぶことができるし、業者とのコミュニケーションも取りやすいですよね。
今回ご紹介したポイントをきっちり押さえて納得のいくリフォームができるようにしていきましょう。